卒論で追試になるケース、どんな場合?
卒業論文、通称”卒論”。この大学生活最後の試練に直面し、追試を恐れている学生の皆さんへ。
追試とは、研究不足や論文の質が不十分な場合に、合格までに課される再試験のことです。どんなケースで追試を命じられるのか、詳しく解説したいと思います。
最も多い追試ケースは、研究内容そのものに不備があった場合です。卒論は4年間の大学生活の総決算であり、単なる知識の羅列ではなく、その学問分野への深い理解と考察が求められます。研究対象に対する十分な先行研究のレビューがなされていない、実証的な調査が不足しているなど、内容が乏しければ追試を言い渡されるでしょう。
次に、論文の体裁や構成に問題があると、追試になるケースがあります。卒論は学術論文としての一定の形式を満たす必要があり、大学ごとに細かいルールが定められています。たとえば章立ての不備、参考文献の書き方の誤り、図表のキャプションの欠落など、些細な点でもルールを守っていないと、追試の対象となってしまいます。
重大な問題があった場合も、もちろん追試です。データの改ざんや他者の著作物を無断引用するといった剽窃があれば、即座に追試を命じられるどころか、場合によっては退学処分に処せられる可能性もあります。研究者としての最低限の倫理が問われるため、そうした行為は卒論合格の大前提を覆す重大な違反です。
さらに、指導教員から論文の質が認められなかった場合にも、追試を免れません。卒論は一人で完成させるものではなく、指導教員との議論を重ね、助言に従って推敲を重ねていくプロセスが極めて重要です。しかし、教員からの熱心な指導を無視し続け、求められる水準に達することができなければ、追試は不可避でしょう。
一方で、やむを得ない理由で卒論執筆に問題があった場合は、大学によっては追試対象から外れることがあります。病気やけが、家庭の事情など、本人の力では如何ともしがたい事態で論文の完成が難しかった場合、大学に事情を説明すれば、追試を免れる特別措置がとられることもあるでしょう。
このように、追試の理由はさまざまです。中でも研究内容の不足や形式の不備は、最も多い追試ケースといえるでしょう。しかし、追試は誰もが経験するかもしれないことです。追試という道のりに怯えるよりも、もう一度卒論に専念できるチャンスだと前向きにとらえることが大切です。
指導教員や友人たちに助けを求め、共に乗り越えていきましょう。今一度卒論に情熱を注ぎ、焦らず、あきらめずに最後まで取り組めば、必ずや充実した卒論を完成させることができるはずです。追試は決して敗北ではないのです。