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卒業論文

卒論とは何?知恵袋より詳しく教えます。

大学を卒業する皆さんは、「学士」という学位を与えられます。学士は英語では Bachelor’s degreeと言います。この英語を意訳すると、「学者見習い」となります。「見習い」という言葉がつくのであまり良い気分がしないかもしれませんが、学者であることを名乗のる以上、自分の学識を世のため、人のために使うということを意識する必要があります。卒業論文はいわばその訓練、一歩目であると言えるでしょう。
その大事な一歩目として意識するべきプロセスは以下の3つです。

1.自分の学識を総合して考え、表現する。
2.他者の意見を踏まえ、再評価する。
3.起承転結、及び因果関係に意識しながら論理的に文章を構築する。

1点目を別の言葉で言うと、自分で考え、自分なりに表現してみるということです。卒業論文を書く際にはある物事や検証するべき事象に対して仮説を考え、検証方法を考え、検証結果を予想し、得られた検証結果の解釈について考察する必要があります。とにかく考えをめぐらすべきことが多くあります。その際に、大学時代だけでなく、これまでに自分が学んできたことや経験してきたことを考慮に入れて、自分の価値観や目線で評価することが重要になってきます。誰が書いてもいいような、一般論ばかりの、自分の考えを盛り込んでいない卒業論文には価値がありません。むしろ、自分が学んだことや経験や価値観を元に考え出されたアイディアや考察は、他者にとっては大変価値のあります。少なくとも、同じ目線もった人間は自分しかいないのだから、貴重であり、最大限尊重されるべきものです。そのような、独自で新しいものの考え方やとらえ方を「新学説」と言うのです。是非、その独創性に富んだ、自分なりの学説を大事に育ててください。自分の考えを他者に表現するということは勇気が必要となり、場合によっては恥ずかしいと思うことかもしれません。しかし、再度言いますが、自分という人間、同じ目線を持った人間はご自身しかいないので、その目線で考えたことはとても貴重であり、人類にとって価値のあることに違いありません。是非、それを他者に堂々と表現するように心掛けてください。

2点目は1点目と逆のことを言うようですが、他者の意見を取り入れることの重要性を言っています。自分が学んだことや経験や価値観を元に唱えた「新学説」は非常に価値のあるものですが、他者が唱える「新学説」も等価に価値があるということを意識してください。卒業論文を書く際には、先生や先輩、同級生など、様々な人たちに意見を聞いてください。場合によっては自分の考えと違うことを言われたり、意にそぐわない指示を受けるかもしれません。その場合でも、他者の言うことに対して反発するのではなく、一度、自分の考えと異なる部分を整理し、フラットに、どちらがより正しいか考えてみるように心掛けてください。その結果、自分の考えが間違っていたと思うことがあっても、決して恥ずかしいと思うことはありません。むしろ、自分の考えが間違っているということを今回学んだということとなり、まさに学者として一歩成長できたと言えるでしょう。そもそも、卒業論文のテーマは正解が用意されているようなものではなく、正解を早く当てたからと言って偉いわけではありません。むしろ、この試行錯誤のプロセスを踏んで、学者を育てることこそが、卒業論文を書くことの意義であると言えるかもしれません。

3点目は、卒業論文の書き方についての注意点とテクニックについて述べています。卒業論文は論文である以上、何かを誰かに理解してもらえるように書かなくてはなりません。「誰か」というのは、同級生などの友人だけでなく、もっと多くの人を指します。極端な話、全世界の人に向けて発信するという気で書く必要があります。そのために、意識するべきルールとして、「起承転結」と「因果関係」があります。起承転結を意識するべき部分は、1文に関してだけではありません。1段落、1章だけでもなく、卒業論文全体で「起承転結」しているかどうかを意識することが重要になってきます。これを実現するためのテクニックとして、目次を最初に書き、それぞれの項目が起、承、転、結のいずれに属するのかを意識するようにしておくことが挙げられます。なお、起、承、転、結の順番を変更するという論文もあります(特に、英語圏では結論が先になる場合が多い)が、論理構成を明確にしながら書くことで自分の考えも整理されることがあるので、卒業論文では起、承、転、結の順を守って書くことをおすすめします。また、「因果関係」についてもよく意識するようにしてください。長大な論文になってくると、なぜそのようなことが言えるのか、自分の考察がどのような評価結果によるのかについて、明確でない部分が出てきてしまうことがあります。そのようなことがないように、因(原因となる事柄)と果(果)の関係についての一覧表を論文を書くのと同時に作成することをおすすめします。この表は論文発表会の準備でも大いに役立つことでしょう。